2021年4月に発売して以来、英語学習者たちの間で話題になっている本「英語のハノン」。
2024年2月現在は、初級・中級・上級・フレーズ編の4種類が出ており、巷で大人気となっています。
- 英語のハノンってどんな内容なん?
- ほんとに効果があるの?
この記事では、英語のハノンの初級・中級を終わらせ、現在は上級を学習中の私が、本書の内容や得られる効果を解説していきます。
英語のハノンは、もし広まれば英語を話せない日本人はいなくなるんじゃないかと思うぐらい、革命的で素晴らしい本です。
英語を話せるようになりたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
英語のハノンの内容は?
英語のハノンでは、聞こえた英語をリピーティングし、さらにその英文を指示通りに変形させる、というトレーニングを通じて、英語の「形」を徹底的に身体に覚えこませる、という訓練をおこないます。
こちらは、初級の最初の方の一例文です。
(音声)It’s in the basement.
(あなた)It’s in the basement.(リピーティングする)
(音声)they(指示)
(あなた)They’re in the basement.(指示通りに変形させる)
(音声)that(指示)
(あなた)That’s in the basement.(指示通りに変形させる)
・・・
このような感じで、音声リピーティングと指示に従って英文を次々と変形させていきます。
各文法項目が新しく出てくるごとに日本語での解説がついているので、英語のハノンを初級から上級までこなすことで、基礎的な英文法の一通りの学習にもなります。
上で挙げた例は、初級の序盤なのでまだまだ簡単な英語ですが、先に進めていくにしたがって、様々な文法事項、一文が長い英語、馴染みのない単語が出てきて、どんどん難しくなっていきます。
そのため、TOEIC 900点前後の人でも、初級の後半あたりからは結構難しく感じると思います。
英語のハノンのメリット・デメリット
英語のハノンは、全日本人にオススメしたいぐらい素晴らしい教材なのですが、取り組むことで得られるメリットがある一方で、万能ではない部分もあります。
メリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
英語のハノンのメリット
- 英語の文法が「知ってる」から「使える」になる
- 発音が良くなる
- 速い英語のスピードに慣れる
英語の文法が「知ってる」から「使える」になる
文法は知識として知ってはいても、会話の中では使いこなせない、という人は多いのではないのでしょうか。
無意識に近いレベルで英語が出てくるようにならないと、実際の英会話ですらすら話せるようになるのは難しいです。
英語のハノンでは、例文を何度も繰り返しリピートすることで、口から無意識に英語が出てくるようになります。
そのレベルに至るには、もちろん毎日継続することが必要ですが、話せるようになりたいなら絶対にやる価値はありますよ!!
発音が良くなる
また、英語のハノン初級の最初には、発音の練習パートがついています。
このパートでは、基本的な音声変化(リンキングやフラッピングなど)についての解説と、いくつかの練習音声が用意されています。
ここでしっかり発音の基礎を身につけておくことで、その後のパートでもネイティブのお手本音声をしっかり聞いてリピートし、音声変化を伴ったきれいな発音を定着させることができます。
実際、私は英語のハノンを始めてから、オンライ英会話の先生に発音をほめられることが増えました。
速い英語のスピードに慣れる
英語のハノンは、現在、初級・中級・上級の3冊が出ています。
このうち、中級と上級は音声のスピードが尋常じゃなく速いです!!!
リピートのために用意されているポーズの時間も、お手本音声のスピードに合わせて取られているため、容赦無く短いです。
そのため、お手本音声を聞き終わったら、即お手本と同じスピードで発話することが求められます。
このスピード感に慣れることで、実際の会話の中での英語運用スピードが格段にアップします!
ネイティブの話す速い英語もかなり聞きとれるようになります!
そんなに速い英語についていけるか不安…と思われるかもしれませんが、実は初級にはslowとnormalの2種類のスピードが用意されています。
初級ならnormalスピードでもそこまで速くはないので、まずは初級から始めて少しずつレベルアップしていきましょう!
英語のハノンのデメリット
- 単調なドリルなので飽きやすい
- 会話フレーズは身につかない
- 自分の意見を話す練習は別に必要
単調なドリルなので飽きやすい
英語のハノンは1人で黙々と行うトレーニングなので、毎日地道な努力を続けていく必要があります。
途中で挫折せず継続するには、「必ず朝30分早起きしてやる」「通勤時間にやる」のように、取り組む時間を固定して、毎日の生活の中に組み込むようにしましょう。
会話フレーズは身につかない
英語のハノンは、英文法を使えるようにしていくためのトレーニングです。
なので、”Nice to meet you.”(はじめまして)だったり、”So sorry.”(残念だったね)のような、普段の会話に使うこういったフレーズは出てきません。
このような日常のちょっとした表現を学ぶには、海外ドラマなどを見るのが最適だと思います。
自分の意見を話す練習は別に必要
自分の言いたいことを自由に英語で表現できるようになるには、英語のハノンと並行して、実際に自分の言いたいことを自分の言葉で話す練習が必要です。
1人でストイックにやれる人は、身の周りのことを独り言で表現してみたり、何かテーマを決めて3分間スピーチを行ってみるのが良いでしょう。
その際は、自分の英語を録音して聞き返してみることで、うまく言えなかったところを客観的に分析できるので便利です。
1人では続けられない…という方にはオンライン英会話がオススメです。
1レッスン25分で、講師がマンツーマンであなたの英語力をチェックしてくれますし、実際の会話の練習にもなります。
オンライン英会話に興味を持った方はぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
実際に英語のハノンを1年続けて実感した効果
私が英語のハノンを続けてきて実感している効果は、以下の通りです。
- 使い慣れていなかった言い回しを自然に使えるようになった
- ネイティブの早口を前より聞きとれるようになった
- 実際の会話で、発話スピードが上がった
また、私の友人(英語の知識はあるけどスピーキングが苦手)に、英語のハノンの初級と中級を一通りこなした感想を聞いてみた結果、以下の答えが返ってきました。
- 発音が劇的に向上した(特にリンキングやリダクションなど)
- 速い英語のスピードに慣れた
- 実際の会話でスムーズに話せるようになったかは分からない
- 一通りやっただけでは、練習した構文をまだ自分のものにできていない感じがする
以上のことから、実際にすらすら英語が出てくるようになるまでには、以下の2点が重要だと思います。
- 練習した構文が定着するまで、何度も繰り返し練習する必要がある
- 英語のハノンと並行して、実際の会話の練習を行う必要がある
英語のハノンで最大限の効果を得るための勉強法
英語のハノンの練習の中で、実際の会話でのスピーキング力を最大限に伸ばすためには、以下のポイントが重要だと思います。
- 英文の構造や発音に注意を払わなくてもスムーズに言えるようになるまで練習する
- 例文が実際に話されている状況を想像しながら、感情をこめてリピートする
英文の構造や発音に注意を払わなくてもスムーズに言えるようになるまで練習する
例文のリピートですらつっかえてしまう構文を、実際の会話でスラスラ使うのは無理ですよね。
まずはハノンの例文をスムーズに言えるようになるまで毎日何度も練習しましょう。
焦ってどんどん進もうとせず、慣れないうちは1つ1つの文法を着実に自分のものにしていくのが良いです。
例文が実際に話されている状況を想像しながら、感情をこめてリピートする
これはめちゃくちゃ大事です。
英語のハノンに限らず、音読・シャドーイング・リピーティングをする際に、ほとんどの人が英語の字面だけを追ってしまっているのではないでしょうか。
英語を口に出す際には、実際に自分がその英語を口に出す場面にいるつもりで、感情をこめて言ってみましょう。
それだけで、インプットした英語を実際の会話の中で使いこなせる確率がぐっと上がります!
感情をこめて話そうと思ったら、そもそも英語を読むのにつっかえていては無理ですよね。
英語スピーキングを伸ばすには、ひたすら声に出して練習しまくりましょう!
地道なトレーニングを継続していくことで、いつかブレークスルーが起こるはずです!
英語のハノンは英語学習者のバイブルだと思う
英語のハノンは、”瞬間英作文”シリーズに代わる、新たな英語スピーキング本の金字塔のような本になったのではないかと思います。
英語のハノンを毎日しっかりと継続できれば、必ずあなたのスピーキング力はぐぐっと伸びます!
私は約1年間毎日30分ずつ取り組んできて、初級と中級が終わり、現在上級に取り組んでいるところです。
上級が終わったら、また初級と中級に戻って何周もこなしていくつもりです。
日本人の英語話者にとっての英語のハノンは、スポーツ選手にとっての筋トレのようなものだと思っています。
ある程度話せる人でも、ハノンを毎日コツコツ継続することで英語スピーキング力が鍛えられる、維持できる。そんな本です。
私はこれまで色々な英語学習本に取り組んできましたが、正直言って英語のハノンはダントツ1番でオススメしたい本です!
特に、スピーキングが苦手でシャイな傾向の日本人には、うってつけの本だと思います。
1日30分程度、毎日継続して取り組むことで、あなたの英語力は確実に向上するでしょう。
楽して短期間で英語が上達する方法は存在しません。 コツコツ頑張っていきましょう!